FPの仕事から

『70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』を出しています・・・

 

昨年10月に出した新刊について、今さらですが、お知らせいたします。

タイトルは『70歳からの人勢を豊かにするお金の新常識』(高橋書店)。

価格は、税込みで1100円になります。

 

AMAZONのページには見開きでのサンプルページがいくつか載っていますので、

上にはAMAZONのページを貼り付けてあります。

 

2024年1月から新NISAがスタートしたことと、日経平均株価が3万5000円を超えた

(1月12日現在)ということで、「老後になっても、運用して資金を増やすぞ!」と

意気込む方は少なくありません。

私自身も運用は好きなので、運用することに反対ではないものの、「シニアの方が

運用しても良いのは、余裕資金」に限ります。

 

余裕資金とはいえないお金まで運用に回してしまい、マイナス運用になって、落ち込む

高齢者をたくさん見てきました。

 

若い人は、運用する時間がたくさんあるので、多めに運用資金に振り分けでも良いとは

思うものの、シニアになったら、運用できる期間と認知症リスクを考慮したうえで

慎重に行うべきだと思うのです。

 

老後資金のほとんどが運用商品だった人が認知症になって、なかなか換金が進まずに

困っているご相談者もいます。

 

以前に比べると、運用商品の換金も少しずつできるようになっているものの、換金の

手続きをするには後見人を付けなければならず、8割以上は親族以外が選任されて

しまうために、後見費用がかかるなどの問題もあります。

 

新NISAの勉強に力を入れるのと同じくらい、生活設計についてもじっくりと考えて

もらえれば、老後の不安は軽減するはずなのに・・・・という思いを込めて書いた本が

70歳からの人生を豊かにするお金の新常識』なります。

 

70歳を過ぎている方だけではなく、60代に入られた方にも、ぜひぜひ、手に取って

いただければ嬉しく思います。

 

何卒、よろしくお願いいたします。

 

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アルツハイマー村と認知症村が記事になりました!

 

6月に訪問したフランスのアルツハイマー村とオランダの認知症村がネット記事になりました。

掲載先は、なかまぁるさんのサイトです。

 

フランスのアルツハイマー村

 

オランダの認知症村

 

このほか、2022年10月号の「ゆうゆう」(主婦の友社刊)にも、記事が掲載されており、このあと、AERA.dotにも掲載される予定です。

 

どちらも重度の認知症を患った方々が、人生の最期を過ごす場所です。

尊厳を守ってもらいつつ、認知症の前とできるだけ近い暮らしができる場所について、ぜひ、知ってもらいたいと思っています。

 

興味のある方には、クリックをお願いいたします。

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フランスにあるアルツハイマー村とオランダの認知症村を見学してきました!

 

タイトルの通り、フランスにあるアルツハイマー村とオランダの認知症村を見学してきました。

 

2022年6月のことになります。

 

アルツハイマー村については、私たちが日本人の見学者・第1号になりました。

 

アルツハイマー村はパリから電車で4時間くらい、スペイン方面に向かったDAXという街にあります。

DAXの駅からは、タクシーで20分ほど。

 

木製の柵で囲われた広い敷地の中には、居住棟のほかに、食堂や売店、医療クリニック、美容院、講堂、図書室、カルチャーセンターなどの設備を有した開放的な高齢者施設がアルツハイマー村です。

 

入居者は120名、医師、看護師を含むスタッフも120名、そのほかにボランティアの人が120名もいます。

 

国が運営している施設なので、正規の職員は全員公務員とのことです。

 

入居費用の基本額は2000ユーロとのことでしたが、所得による減額措置があり、負担の少ない人では233ユーロで入居している人もいるそうです。

 

居住棟は、すべて個室で、リビングや食堂、キッチンなどは共同で使用します。

 

2019年の開設から3年弱しかたっていないこともあって、建物はとてもきれいですし、村の中は自然に囲まれていて、散歩するのも楽しいレイアウトになっていました。

 

あえて緩やかな勾配を残して整備されているのは、足腰を弱らせないためだとのことでした。

 

私たちは、入居者の方も食べることがあるランチをいただきました。

 

ミニサラダとデザート付きで8ユーロでした。

 

原則として、入居者の方は居住棟のほうで食事を取るそうですが、食堂のほうで食べたい場合は、食堂で食べることもできるようです。

 

緑の箱のようなものは、認知症の人が「家に帰りたい」と言い出した時に利用するものだそうです。

 

箱の中は電車の座席のような作りになっていて、中にある画面に車窓の景色のDVDを映し出し、認知症の方に1時間くらい、鑑賞していただくのだそう。

 

DVDを見ているうちに、徐々に落ち着いてきて、「帰りたい」という気持ちは落ち着いていくと言われました。

 

ただ、精神科の医師が許可した時だけ、この方法を取るのだそうです。

 

アルツハイマー村のような、広い敷地に施設を作るというのは、なかなかマネできることではありませんが、電車型をした緑の箱なら、日本の高齢者施設でもまねできるのではないかと、感じました。

 

ところで、ここまではアルツハイマー村の紹介です。

 

オランダの認知症村のほうは、写真撮影がNGでした(´;ω;`)

 

その代わりに、原稿などに使ってもいいですよ、という条件のPPTをいただきました。

 

ただ、HPにも同じ写真が掲載されているので、HPを貼り付けます。

 

認知症村のほうは、HPのほうを覗いていただければと思います。

 

ちなみにアルツハイマー村は、オランダの認知症村をモデルにして作られています。

 

そういう意味では、認知症村のほうを詳しくご紹介したいところなのですが、認知症村については、一緒に見学をしたマネーライターの楢戸ひかるさんが紹介記事を書いています。

 

もうすぐ、記事がアップされると思いますので、アップされたら、私のブログに記事を貼り付けようと思います。

 

楢戸さんの記事を読みましたが、私が紹介するよりも、ずっと的確に認知症村を紹介しているからです。

 

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老後資金準備について、個人的に思うこと

 

老後の生活に不安に感じる方からのご相談が増えています。

 

今のご時世、「老後には何の不安もありません!」などと言ったら、「なんて、呑気なの!?」と言われてしまうような状況ですから、不安を口にする方が増えるのは、自然なことだと思います。

 

そのような中で、個人的に感じることがあります。

 

老後の生活が不安☞運用して、老後資金を殖やそう

 

こうした思考回路になるのも、ある意味、自然な現象だと捉えています。

 

ですが!

 

老後資金に余裕がないのに、運用をした結果、資金がマイナスになってしまって、焦っているご相談者も少なくありません。

 

「運用は余裕資金でおこなう」という大原則を無視した結果だと思います。

 

老後資金に不安がある方が、運用の勉強をしたり、実際に手持ち資金を運用に回すことに異論があるわけではありません。

 

ただ株や投資信託は、認知症と診断されると、仮に後見人が付いたとしても、死ぬまで換金できなくなることを、ご存知ない方も多いんですね。

 

実際のところ、運用資金はたくさんあるけれど、預金類が少なくて、家族が困る事例も増えてきています。

 

運用資金の割合が多いと、希望する介護施設に入居できなくなる可能性もありますし、そのような事例をいくつか見てきました。

 

現実問題として、私が見てきた老後破産の多くは、普通の生活をしていて、というよりも、介護が必要になって起こっています。

 

私が知りうる限りではありますが、介護破産した方は、要介護状態になる前に、介護施設の情報を集めたことがないという共通項をお持ちです。

 

健康な時には可能だった節約も、要介護状態になって、介護費用が掛かると、難しくなっていきます。

 

いっぽうで、健康な時に介護施設の情報をきちんと集めて、自分の資金に合った場所に住み替えた方で介護破産した方は、私が知りうる限りではいないのです。

 

運用で老後資金を殖やすのには不確実性がありますが、安くて、評判の良い介護施設の情報をきちんとつかんでおくことは、介護費用を軽減する、しいては介護破産を防ぐ確実な方法だと思うのに、です。

 

老後資金に不安のある方は、介護破産にいたらないためにも、コロナが明けて、介護施設の見学が可能になってきたら、少しずつ自分が払えそうな施設の情報を集めることをお薦めします。

 

ちなみに私は(以前のブログにも書きましたが)、認知症になったら住み替えたい施設を決めていて、娘にも施設名とどのお金で支払って欲しいかを伝えています。

 

子どもたちとはできるだけ距離が離れたところに住み替えたいという、私の希望を叶えてくれるはずの施設です。

 

「あなたは誰ですか?」と聞くようになる前に、子どもたちが訪問しづらいくらいの場所に移動してしまうのが、私の希望です。

 

身体介護の場合は、そのときの嚥下状態で、施設を選ぶつもりです。

 

普通食が食べられるなら、食事が美味しい施設に入りたいですし、ミキサー食しか食べられないなら、成形食(一度ミキサーで粉砕するけれど、元の形に成形してくれる)を出してくれる施設に入所したいと考えています。

 

入所一時金については、夫婦で終身保険を掛け合っており、保険金の範囲内で入居できるところを選択するつもりです。

 

主人の終身保険はすでに支払い終えており、私の保険料はあと1年で払い終える予定です。

 

介護への備えができていないと、子どもたちに迷惑をかけることにつながります。

 

このような話を直接すると、「なるほど」とうなづいてくださる方もいますが、「老後破産を起こさないように、介護施設の情報を集めよう」とメディアでいったところで、ほとんどの方にスルーされてしまうはず(´;ω;`)

 

どうしたら、介護施設の情報を得ようというモチベーションにつながるのか、悩むばかりです。

 

 

 

 

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ひきこもりの親御さんのレスパイト旅行

 

コロナ感染の状況が落ち着いてきたように見えるからか、最近はひきこもりのお子さんがいらっしゃるご家庭からのご相談が増えています。

ひきこもりをテーマにした、取材の依頼も少しずつですが、多くなっているような感じです。

 

さて、タイトルにあるレスパイト旅行について。

コロナが発生しなければ、昨年の秋に、ひきこもりのお子さん(働けないお子さん含む)を持つご家庭の親御さんを対象にしたレスパイト旅行を検討していました。

 

働いていないお子さんがいると、「親が甘やかしたからだ」とか「1日も早く、働かせろ」といった意見だけを言う方は少なくありません。

働けない状態での生活設計のアドバイスをおこなっている私に対しても、心無い意見を言う方が少なくないのですから、当事者の親御さんたちは、どれだけ人からの言葉に傷ついているのかは、想像するのも怖い感じです。

 

長年、お子さんが就業できないことで悩んできている親御さんたちを休ませるために、台湾へ2泊3日で行こうとしていました。

 

海外に行ってしまえば、家のことを気にしても仕方がないし、親御さんたちは苦しむばかりで、自分たちのためにお金を使っていないことも気になっているからです。

 

そんな話を何人かの該当者に伝えたところ、意外にも「なるべく早く、実現してください」とか「足が動けるうちに参加したい」といった反応がたくさんありました。

 

そんな計画途中での、コロナ発生・・・・・・(´;ω;`)

 

コロナの行方が予想できないため、ズルズルと日にちだけが過ぎていますが、来年か再来年には、絶対に!実現させたいと考えています。

 

当初、お願いしようと考えていた旅行会社の担当者は、離職してしまったので、旅行会社探しからやり直そうと思います。

 

「自分の知っている旅行会社に相談したら」とか「わが社で扱ってあげるよ」というありがたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ、コメント欄などにご連絡ください。

 

メアドなどの個人情報が載っている場合は、ブログにコメントはアップせずに、直接連絡をいたします。

 

ちなみに、私は「総合旅行業務取扱管理者資格」を持っています。

旅行好きが高じて、資格を取ったのですが、レスパイト旅行についても、多少は管理者資格が役に立つかも?と思っています。

 

実行時期などは未確定ですが、参加したい!と思っていただける方がいらっしゃいましたら、コメント欄に書き込んでいただけると、嬉しいです。

個人情報だと感じる記述がありましたら、コメントはブログにアップせず、私だけが読ませていただきます。

 

親御さんたちを休ませることで、少しでも長年の疲れを癒していただきたいと。

そのためには、何とかレスパイト旅行を実現させたいと思っているところです。

 

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新刊「お金のプロに相談してみた!息子、娘が中高年ひきこもりでもどうにかなるって本当ですか?」が発売になりました

 

1週間くらい前のことになります。

 

新刊となる「お金のプロに相談してみた!息子、娘が中高年ひきこもりでもなんとかなるって本当ですか?」(時事通信社刊)が発売されました。

発売日にFBのほうに、告知を載せましたので、そちらも貼り付けたいと思います。

 

執筆のご依頼をいただいてから、かなりの時間が経ってしまった“難産”の本になりましたが、待ったなしの状態になっているひきこもりのお子さんが高齢化している現状と対策をまとめた本になっています。

 

親側が亡くなるだけでなく、介護状態になって、親も子も窮するケースが増えています。

ひきこもりのお子さんを持つ親御さんには「自分の介護のことを想定して、高齢者施設を見学するなど、準備をしてくださいね」と、常々お伝えしていますが、介護の準備をしてくださる親御さんはほとんどいません。

 

地域包括支援センターなどが、介護についてはいろいろな対応をしてくださったりしているものの、同居しているお子さんが夜中にヘルパーさんが家に入るのを嫌がって、カギを変えたりする事例もあります。

 

いずれにしても、ひきこもりだけではなく、働けないお子さんが家にいる場合には、なんらかの対応が必要になります。

その準備について、まとめた本ですので、よろしければ、手に取っていただけますと、嬉しいです。

 

よろしくお願いいたします。

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財形制度の動画

 

主人の定年の話でも触れている財形制度について、少し前に動画を撮りました。

専門家に聞く財形制度というページに3本、貼り付けてありますので、財形制度に興味のある方は、のぞいていただけますと、幸いです。

よろしくお願いいたします。

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産経新聞の「節約家計簿」が終了しました(´;ω;`)

 

毎週水曜日付で連載を続けてきた産経新聞の「節約家計簿」が、12月22日付をもって、最終回を迎えました。

節約家計簿の前に、家計簿診断の連載をしていましたので、通算して13年くらい、産経新聞に記事を書かせていただいた計算になります。

10年を超える連載が終わるのは、もちろん寂しく感じますが、いっぽうで全国紙に10年以上、同じ人が執筆させていただいたことに感謝する気持ちも大きいです( ´艸`)

歴代のご担当者の皆様、本当にありがとうございました<m(__)m>

中日新聞(東京新聞との共通記事)の連載が終わった時も、17年にわたって書かせていただいたので、とてもさみしく感じましたが、当時はまだ、たくさんの連載があったので、忙しさの中で寂しさを紛らわせることができました。

今回は、次々と連載が終わる中での終了ですので、ちょっとばかし堪えている感じです(´;ω;`)

でも、自分の年齢を考えると、「よくぞ、ここまでもったなあ」という気もします。

まだネットに記事が出ていると思いますので、興味を持ってくださる方がいらっしゃれば「産経新聞 節約家計簿」で検索していただけますと、幸いです。

URLを貼り付けても、そのうち、リンクが切れてしまうはずですので、今回は貼り付けるのをやめておこうと思います。

 

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ひきこもりと生活保護②

 

ひきこもりのお子さんから、「早く生活保護を受けて、楽になりたい」と言われる機会があります。

「生活保護を受けられれば、働かなくても生活できる」という意味で、言っているのだと思われます。

 

でも、それは、けっこうな勘違いになるケースが多いはずです。

なぜなら、高齢であるとか、病気で働けないことを証明しない限り、仕事探しを促されるからです。

 

自宅に居て、親から「働け!」とうるさく言われるから、家を出て生活保護を受けて、働かないで生きていきたいと考える人がいるのですが、親御さんよりもケースワーカーさんのほうが、働くことについては厳しいような気がします。

 

個人的に、生活保護を受けることについて、肯定も否定もするつもりはありません。

必要な人はきちんと受けられるべきだし、いっぽうで不正受給している人がいるのも現実で、そのような人が生活保護を受け続けているのには疑問を感じざるを得ないのですが。。。

 

前回も書いた通り、生活保護については、正しい知識を持つことが何より大切だと思う、今日この頃です。

 

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ひきこもりと生活保護①

 

ひきこもりのお子さんがいるご家庭向けに、生活設計のアドバイスをはじめて、今年で30年目を迎えました。

 

当初の17~18年は、親の会などで生活設計の話をしていると「親が死んだ後の話なんて、縁起でもない話をするな」と怒られたり、同業のファイナンシャルプランナーからは「なんで、働かせるようなアドバイスをしないで、働かないでも生きていける方法を教えるんだ(# ゚Д゚)」という意見をいただく機会も少なくありませんでした。

話を聞いてもらうのも難しい、暗黒?の時代が長く続きましたね(´;ω;`)。

 

私がひとりで奮闘している様子を、精神科医の斎藤環先生が見つけてくださらなかったら、今でも、似たような状況が続いていたかもしれません。

そういう意味でも、斎藤先生には頭が上がりません(;^_^A

 

余談ですが、20年以上前に、私のアドバイスを聞いて、お怒りだったお母様から、数年前に「あのとき、あなたに怒りをぶつけてしまったけれど、自分も年を取ってきて、あなたが言っていたことが身に染みるようになってきたわ。自分の子どもが働けないもどかしさを、あなたにぶつけて悪かったと思っている」といった趣旨の言葉をいただいたこともあります。

親が現役時代だと、「親亡き後の生活設計の重要性」をいくら話されても、ピンとこないのは当然かもしれませんね。

 

 

さて、本日書きたいのは、親亡き後の生活設計について。

その中でも、生活保護の受給についてです。

 

私が活動を始めてから20年くらいは、生活保護の話をする機会はほとんどありませんでした。

ご相談にいらっしゃる方は、ある程度の資産をお持ちのご家庭が多く、親が持つ資産や家族の協力などで、私が提案しているサバイバルプランが成り立つご家庭がほとんどだったからです。

 

ところが!です。

時間が経つごとに、親の資産だけではサバイバルプランが成り立たないご家庭が増えています。

そのような状況を受けて、私自身もセミナーなどでも生活保護の概要を説明するようにしています(せざるを得なくなっています)。

 

 

もともと生活保護については、個人的にもそれなりに調べてきましたが、実は今年度から、某社協で「月に4時間」だけ、仕事をしています。

月に4時間だけですから、あまり役に立てていないような気はするものの、ファイナンシャルプランナーNさんからのご紹介で、働かせていただいている感じです。

 

今までは、外側から生活保護を調べてきたのですが、現在は「生活保護の受給以外に生きていく術がない」という方々にお会いする機会も少なくありません。

生活保護に関わる機会が増えつつある中で思うのは、生活保護についての正しい知識を持っている人はほとんどいない現実。

 

メディアでは「水際作戦」が話題になることもありますが、少なくとも、私が中から見ていて感じるのは、受給条件に合っている人の生活保護受給を断ったケースはないということ。

社協の人って、皆さん、仏様ではないかと思えるくらい、生活困窮者の方々に寄り添っています。

私が話を聞いていて、怒りを覚えてしまうようなご相談者(横柄な人も少なくないんです)に対しても、「全力で助けよう」という思いが伝わってくることもよくあります。

 

つまり、世間的には水際作戦で追い返すなどと言われていますが、受給条件に合わない状態で申請している方が少なくないような気もするのです(これはあくまでも、私の感想であって、実態を保証するものではありません。念のため)。

 

たとえば、「貯蓄が100万円あるけれど、これは最後の虎の子だから手を付けずにとっておいて、生活保護の申請をしたけれど、『そのお金が〇万円くらいに減ってから、再び申請にいらしてください』と言われた」と憤慨している人がいました。

これは社協での話ではなく、あるひきこもりのお子さんから聞いた話ですが。

100万円の貯蓄があるときには、そのお金を生活に充ててもらう必要がありますので、申請を認めてもらうのは難しいと思います。

 

逆に、「家があるから生活保護は受給できない」と思い込んでいる方は少なくありませんが、これは「いくらの家があるか」が問題になります。

たとえば東京23区では、〇〇〇〇万円(ちょっと怖くて、金額は書けません。皆さんが想像されているより高額だと思います)までの家は保有したまま、生活保護が受けられます。

生活保護の中の、住宅扶助(家賃分に相当)が受けられないだけで、他の条件をクリアしていれば、生活扶助や医療扶助などを受けることは可能なんです。

しかも生活保護がスタートすると、自宅の固定資産税は法定免除、つまり払わなくてよくなります。

これって、最初聞いたとき、「生活保護を受けたまま、自宅を相続させられるって、なんか、おかしくない?」と思いましたが、それも現実です。

 

すでにご紹介した通り、ひきこもりのお子さんがいるご家庭からのご相談で、親の持つ資産だけではサバイバルプランが成り立たないご家庭が増えているので、これからは生活保護の制度についても、正しい知識を持ってもらいたいと考えています。

 

そのために、セミナーでも生活保護の概要について説明をしているところですが、気になるのは「将来、子どもには生活保護を受けさせるつもりだから、サバイバルプランなんて聞いても仕方がない」とか、親の金融資産は5000万円くらいあるけれど、このお金が働かない子どもに使われるのは嫌だから、子どもだけ生活保護を受けられないか」という質問が増えていること。

 

5000万円も持っているのに、子どもへの生活援助をしないまま、生活保護を受給しようなんて言うのは、考えが甘いと思います。

いっぽうで本当に困窮している人が、生活保護の申請をするのは、当然のことだと思うものの、申請のタイミングが難しい現実を知ってもらいたいと思います。

ある程度まで申請が進んでいるのに、親や兄弟などに照会されるのが嫌で、途中であきらめてしまう人も見てきました。

 

本当に困窮しているご家庭には、私自身も申請の手伝いをするなど、フォローしていきたいと思うものの、うまく立ち回って子どもに生活保護の受給をさせようとする人には、厳しい態度で対応していきたいと考えているところです。

 

 

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